分娩について

分娩イメージ写真

当院では、かけがえのない命の誕生を、できる限り自然な状態で迎えて頂きたいと考えています。自然の力、お母さん本来の力での出産をすすめており、母子の健康を温かく見守っていきます。このように、お産は本来、自然な状態でなされるべきものですが、時として思いがけない事態が起きてしまう場合もあり、必要なときには、経験豊かな医療スタッフが適切な医療介入を行います。安心・安全に分娩して頂けるための体制を整備しておりますので、安心して出産の日をお迎えください。
※43歳以上で初産婦、3回以上帝王切開既往などハイリスク妊娠の方、日本語が十分にできない方は、当院ではお受けできないことをご了承ください。(インフォームドコンセントの重要性を考慮)。

スタッフ一同が連携して分娩をサポート

当院では、院長を中心として、スタッフ一同が連携してお母さまと赤ちゃんをサポートしていきます。また、必要に応じて大学病院や地域の医療施設と協力していく体制も整備しています。病状や経過などを勘案し、その時々の状況によって最善の方法をとっていくので、安心してご受診ください。

LDR室を完備しています

LDRは、陣痛室と分娩室、回復室の機能を兼ね備えた個室です。陣痛が始まってからも部屋を移動する必要はなく、同じ部屋で分娩にのぞむことが出来ます。その際には、パートナーの方も同じ部屋で過ごすことが出来ます。 当院では、快適に過ごせるための設備を整えています。

立ち会い分娩

赤ちゃんの誕生の瞬間をパートナーと一緒に分かち合いたい方は沢山います。そのような方に対し、 当院では立ち合い分娩も行っています。バースプランなどでご希望を伺いながら、理想的な分娩ができるようお手伝いいたします。

帝王切開

分娩にあたっては自然分娩を基本としていますが、お母さまや胎児の状態などによっては経腟分娩が行えないこともあります。そのようなときは、帝王切開によって赤ちゃんを取り出すことがあります。さまざまな理由から帝王切開が選ばれますが、赤ちゃんを産むことに変わりはありません。医師の説明をしっかりと聞き、必要性をご理解ください。

無痛分娩

経産婦さん限定です(病状や既往歴によっては行えない場合がございます)。
当院では計画無痛分娩を行っております。
基本的に38週台の朝(もしくは前日午後)に入院し、硬膜麻酔下で分娩誘発を行います。
硬膜外カテーテルから麻酔薬を注入し、疼痛の緩和をはかります。

はじめに

お産(分娩)は強い痛みを伴います。痛みの場所や痛みの程度は、分娩の進行度合いによって少しずつ変化します。痛みの感じ方や分娩の進行は各個人で違い、それを出産前に予測することは困難です。無痛分娩の目的は薬剤を用いて分娩の痛みを軽くすることです(痛みはゼロにはなりません)。

無痛分娩の方法

硬膜外麻酔を行い、痛みをとります。硬膜外麻酔は硬膜外腔という場所に管(くだ)を入れて、麻酔薬を投与します。硬膜外腔の近くには神経があり、これらの神経に麻酔薬が作用することでお産の痛みが和らぎます。硬膜外麻酔は無痛分娩の方法として、一般的で、鎮痛効果が高く、お母さんや赤ちゃんへの悪い影響がとても少ないのが特徴です。

無痛分娩の実際

当院では計画無痛分娩を行っております。

  • 基本的に38週台の朝(もしくは前日午後)に入院してもらいます。
  • 朝から陣痛促進剤を使用させていただきます。
  • 途中から硬膜外麻酔を開始します。
  • 血圧計や心電図・酸素モニターなどお母さんの体の状態を観察するモニターを装着します。
  • 横向きに寝て、背中から、硬膜外腔に細い管を入れます。
  • 硬膜外腔に入れた管から痛み止めの麻酔薬の注入を始めます。
  • 無痛分娩中はモニターなどをつけたままの状態で、ベッド上で過ごします。麻酔の影響で足が思うように動かなくなり転ぶ危険があるため、歩くことはできません。
  • 無痛分娩中は、原則ベッド上安静のため、トイレに行けません。管で導尿を行います。
  • お産が終わったら、硬膜外麻酔を終了し管を抜きます。後陣痛などに対しては、飲み薬などで対応します。

*急激にお産が進行した場合、強い痛みのため麻酔の体位をとれない場合があります。安全に硬膜外麻酔が出来ないので、中止することがあります。

無痛分娩のできない方

  • 初産婦
  • 帝王切開既往の方
  • 身長150cm未満の方
  • BMI 28以上の方
  • 麻酔が入りにくいと言われたことのある方
  • 血液が固まりにくい場合
  • 背骨に変形がある場合や背中の神経に病気がある場合
  • 妊婦さんに高い熱が出ている場合
  • 他、医師が無痛分娩が難しそうと判断した場合

は無痛分娩の対象外となります

無痛分娩で起こりえる副作用や合併症

軽症なものから重篤なものまで、頻度が多めのものから非常に稀なものまで多岐に渡ります。詳しくは診療時に説明します。

重篤な合併症の発生時

連携施設に母体搬送対応させていただくことがあります。

  • 無痛分娩麻酔管理者:前 和幸
  • 硬膜外麻酔、計画、経産婦限定の無痛分娩を施行
  • 産婦人科と麻酔科の合計常勤医師2名
  • 産婦人科と麻酔科の合計非常勤医師10名
  総分娩 帝王切開 無痛分娩 非無痛経腟分娩
2024年1 -12月 662 92 27 543
  • 帝王切開率は13.9%(日本全体では20%超)
  • 2025/1/10更新

里帰り分娩

当院では里帰り分娩にも対応しています。ご実家などに帰省して分娩することにより、祖父母などの協力を得て安心できることもあると思いますので、希望される方は、お早めにご相談ください。もともと妊婦健診を行っていた医療機関とも連携し、分娩の準備を進めていきます。

連携施設

お母さん、赤ちゃんに異常が認められた場合や、万一の急変時には、高次施設へのご紹介となることがあります。
当院の連携施設として、さいたま市立病院、さいたま赤十字病院、埼玉医科大学病院、埼玉医科大学総合医療センター、帝京大学医学部附属病院、日本大学医学部附属板橋病院等があります。