子宮頚癌について
子宮癌には、子宮頚癌と子宮体癌があります。このうち子宮頚癌は、子宮下部の子宮頚部から発生します。子宮の入り口付近に発生することが多いので、比較的に発見されやすい悪性腫瘍です。また、早期に発見できたら治療を進めやすく、良い経過をたどりやすいと言われています。しかし、進行すると治療が難しいことから、早期発見が極めて重要と言えます。
子宮頚癌検診
医療機関ごとに若干違いはありますが、子宮頚癌検診は、だいたい下記のような流れで行われます。所要時間は5分程度です。
まず、月経の様子、妊娠・出産経験の有無、自覚症状の有無などについて問診します。次に、内診台に上がって頚部の状態を目で見て確認し、腟鏡で子宮頚部の状態を観察します。内診では、子宮の形、大きさ、位置、子宮頚部の状態、炎症の有無などを確認します。
子宮体癌について
子宮体癌は子宮内膜がんとも呼ばれるように、胎児を育てる子宮の内膜から発生します。日本においても年々増加してきており、将来的には子宮頸癌よりも多くなると考えられています。特に、不妊症、出産経験の無い方、肥満、糖尿病、高血圧の方は危険群です。
子宮体癌検診
子宮体癌検診では、直接、子宮の内部に細い棒状の器具を挿入して細胞を採取して検査する子宮内膜細胞診が一般的です。疑わしいところがあれば、さらにさじ状の器具を使って組織を採取して診断します。但し、子宮体癌の患者さまは比較的高齢の方が多いので、子宮の中まで器具を挿入することが難しいケースもあります。このような方は超音波検査で確認することもあります。
細胞診によって子宮体癌の疑いがあるときは、精密検査として組織診が行われます。キューレットという医療器具を子宮の奥に入れて内膜組織をかき取り、病理組織検査を行います。このため、人によっては痛みをともなうことがあり、また検査後に出血が1~数日続くことがあります。